溶連菌とは
溶連菌感染症とは、溶連菌という細菌の感染を原因として起こる病気です。
とびひや中耳炎、肺炎、関節炎などさまざまな感染症を引き起こしますが、多くは咽頭炎で発症します。のどの痛み、発熱などの症状が見られ、抗菌薬治療が有効です。咽頭炎発症後にリウマチ熱や急性糸球体腎炎といった重篤な病気を合併することがあるため、正しく診断し、治療を行うことが大切です。
*リウマチ熱は関節痛やけいれんのような意思を介さない運動発作、胸痛、発疹などがみられます。特に心臓に炎症が起こると、後遺症が残る可能性もあります。
*溶連菌感染後糸球体腎炎についてはこちらをご参照ください。
溶連菌性咽頭炎の症状

- 突然の39℃前後の高熱
- のどの痛み
- 扁桃腺の腫れ
- 舌の赤いポツポツ(イチゴ舌)
- 手足の発疹
- 不機嫌が続く(小さなお子さまの場合)
咳、鼻水といった症状は比較的少ないです。
子どもの溶連菌に気付かず
放置してしまった…
溶連菌感染症は、自然治癒することのある病気です。しかし、治療せず放置した場合、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などを合併するリスクが高まります。
風邪との見分け方が難しいかもしれませんが、特に通っている幼稚園・学校で溶連菌感染症の流行が見られる場合には、放置せず受診してください。
溶連菌性咽頭炎にかかる原因
溶連菌にはA群やB群、C群、G群といったいくつかの種類がありますが、溶連菌感染症の原因となる溶連菌のほとんどがA群です。
溶連菌は感染力が強い細菌であり、咳・くしゃみによる飛沫感染、細菌が付着した共用部などから手を介して目・鼻・口を触ることによる接触感染などによって、まわりの人へとうつります。
溶連菌性咽頭炎の治療方法
溶連菌感染症の治療では、主にペニシリン系の抗菌薬を10日間ほど投薬します。
セフェム系の抗菌薬を使用することもあります。
合併症を防ぐためお薬は
最後まで飲み切ってください
内服開始後、多くは数日以内に症状が良くなります。しかし、内服をやめると溶連菌はすぐに増殖を再開します。
ぶり返し、合併症を予防するためにも、処方されたお薬は必ずすべて、飲み切るようにしてください。
溶連菌の予防方法
溶連菌は非常に感染力の強い細菌であり、何度も感染することがあります。また、大人にも感染します。
感染対策としては、こまめな手洗い、マスクの着用などが大切になります。お子さまが感染した場合には、お世話をした後など、近づいた・触れた後は必ず手洗いをしてください。タオルの共用も避けましょう。その他、ドアノブなどの共用部のアルコール消毒も有効です。
登校・登園はいつから?
抗菌薬開始から24時間経過して、発熱などの症状が改善していれば登園・登校可能です。