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咳、鼻水、咳が続く

子どもの咳・鼻水が続く

子どもの咳・鼻水が続くお子さまの咳や鼻水がなかなか治らないと、ご家族としても心配になりますよね。こうした症状は風邪やアレルギー性鼻炎など、比較的よく見られる病気が原因であることが多いです。原因をしっかりと特定し、正しい治療を行うことで、つらさを和らげることができます。気になる症状が続くときは、どうぞお気軽にご相談ください。

子どもの咳・鼻水の種類

咳や鼻水の出方にはいくつかのパターンがあり、それを知ることで原因を絞ったり、適切な検査を選ぶ手がかりになります。
特定の時間帯や場所で症状が出ることもありますので、「どんな時に、どんな咳が出るか」「どんな鼻水か」といった点を、ぜひ受診時にお伝えください。
スマートフォンで動画や写真を撮影していただき、それを見ながら診察することも可能です。ご不安な場合は、無理のない範囲でご活用ください。

咳の種類

  • コンコンという乾いた咳
  • ゲホゲホという痰がからんだような咳
  • ケンケンという犬の鳴き声のような咳(クループ症候群)
  • ゼイゼイ、ヒューヒューという異常な呼吸(喘息)

鼻水の種類

鼻水の種類は、大きく以下のように分けられます。

透明でサラサラしている鼻水

アレルギー性鼻炎、風邪のひき始めの時によく見られる鼻水です。
アレルギー性鼻炎の場合は、鼻づまり・くしゃみといった鼻の症状も見られます。

黄色または緑色のネバネバした鼻水

体中で細菌やウイルスと戦ったあとに出る「お掃除中の鼻水」のようなものです。
副鼻腔炎の場合は、鼻づまり、後鼻漏(鼻の奥から喉に鼻水が流れる状態)、頬やおでこ、目のまわりが痛くなることがあります。

受診が必要な子どもの咳・
鼻水症状をチェック

受診が必要な子どもの咳・鼻水症状をチェック 咳、鼻水があった場合、ご家庭で様子を見ることもあるかと思います。
ただし、以下のような場合には、お早目に当院にご相談ください。

  • ひどい咳や鼻水で呼吸がしづらそうに見える
  • 肩を上下させながら呼吸をしている
  • 鼻をピクピクさせながら呼吸をしている
  • ひどい咳で眠れない
  • ゼイゼイ、ヒューヒューという喘鳴が出ている
  • 顔色が悪い
  • 呼吸のたび、左右の肋骨のあいだがくぼむ(陥没呼吸)
  • 異物を飲み込んだおそれがある
  • のどの痛みで水や食べ物を摂れない

夜になると咳がひどくなる
原因

昼間は元気にしていても、夜になると急に咳き込んでしまうことがあります。これは、夜間に副交感神経という神経が優位になることで、気管支が狭くなったり、気温の変化でのどや気管が刺激を受けやすくなったりするためです。
また、寝るときに体を横にすることで、鼻水や痰がのどのほうに流れ込みやすくなり、それが咳を誘発してしまうこともあります。

長引く咳・鼻水の主な原因と病気

咳や鼻水が長引く原因は、ウイルスや細菌の感染によって起こる感染性疾患と、それ以外の要因によって起こる非感染性疾患に分けられます。

感染性疾患

風邪

風邪のウイルスは200種類以上あると言われており、ほとんどは1〜2週間で自然に治ります。ただし、治りきる前に別のウイルスに感染してしまうと、症状が長引くことがあります。

百日咳

百日咳菌による感染症で、はじめは風邪のような症状から始まり、次第に激しい咳が続くようになります。呼吸が苦しくなるほどの咳が1か月以上続くこともあり、特にワクチン未接種の場合は重症化に注意が必要です。

気管支炎・肺炎

風邪に伴うのどや鼻の炎症が、気管支(空気の通り道)や肺にまで広がっている状態です。最初は軽い咳や鼻水から始まりますが、次第に咳が強くなり、高い熱が続くようになります。ぐったりして元気がない、ぜーぜーして呼吸が苦しそうなどの症状がみられることもあり、入院が必要になることもあります。

マイコプラズマ感染症

マイコプラズマという細菌の一種が原因で、風邪のような軽い症状から、気管支炎や肺炎のような重い症状まで引き起こします。特に小学生以降のお子さまで見られることが多く、高熱が5~7日続いたり、コンコンと乾いた咳が何週間も続いたりするのが特徴です。中耳炎や頭痛、関節の痛み、発疹などを伴うケースもあります。しっかりと診断・治療を行うことが大切です。

副鼻腔炎

副鼻腔は、顔の骨の中にあるスペースで、鼻の奥や、頬、目のまわり、額の中などにあります。この空洞がウイルスや細菌で炎症を起こすと、副鼻腔炎になります。風邪が長引いて悪化する形で起こることが多く、ねばついた黄色や緑色の鼻水、鼻づまり、のどに流れる鼻水(後鼻漏)が見られます。特に4〜6歳頃のお子さまによく見られる病気です。

非感染性疾患

アレルギー性鼻炎

花粉・ハウスダスト・ダニなどを原因として起こるアレルギーのひとつです。くしゃみ、鼻水、鼻づまりが主な症状で、季節性のもの(花粉症)と通年性のものがあります。鼻水がのどの方へと流れ(後鼻漏)、咳症状を引き起こすケースも見られます。

気管支喘息

気管支(空気の通り道)の粘膜で慢性的な炎症が繰り返し起こる病気です。炎症が強くなった時には、気管支が収縮して息苦しさ、呼吸困難、ゼイゼイ・ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)が見られます。夜間・早朝に咳が出る、運動後に咳が出るといった場合は、気管支喘息を疑います。

そのほか、胃食道逆流症や、ストレスや緊張(心因性咳嗽)などが長引く咳の原因になることもあります。

咳・鼻水が治まらない時の対処法

咳の対処法

部屋を温かくする・加湿する

寒い季節は、乾燥した冷気がのどを刺激して咳が出やすくなります。エアコンなどで室温を上げたり、加湿器などで湿度を上げると、咳を抑えられやすくなります。
冬場は、室温を20~25℃、湿度を50~60%を保ちましょう。

常温の水を飲む

水を飲むことで、咳が治まることがあります。刺激の少ない常温の水、白湯などを少し、飲んでみましょう。

上半身を少し高くして寝る

就寝時は、クッションや余っている布団などを使って上半身をやや高くすると、鼻水・痰が気管へと流れにくくなり、咳が軽くなることがあります。特に、乳幼児では、横になることで、鼻水が喉の奥に流れ込み、咳が出たり、夜間に起きる原因になることがあります。寝ているときに咳が続く場合は、一度縦抱きにして様子を見てあげると、咳がおちつくことがあります。

部屋を小まめに掃除する

塵や埃などのハウスダストは、のどを刺激し咳の原因となります。アレルギーのない方も、小まめに部屋を掃除しましょう。

禁煙

ご家族が吸うタバコの煙が、お子さまの咳の原因になっていることがあります。お子さま、そしてご自身のためにも、できるだけ禁煙しましょう。

鼻水の対処法

鼻風邪の場合

ウイルスや細菌、ほこり、化学物質などが原因で、鼻水・鼻づまり・くしゃみなどの症状だけが出る場合を「鼻風邪」と呼びます。鼻吸引などの対症療法によって、症状を軽くしてあげる治療を行います。
吸引器には、市販のものであればスポイト式・口吸い式・小型電動式などがあります。医療機関ではより吸引力の高い大型電動式が使われます。
また、室内の加湿も症状緩和に効果的です。

副鼻腔炎の合併やアレルギー性鼻炎の場合

副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎を原因としている場合には、各疾患に対する治療を行います。
副鼻腔炎であれば抗菌薬の使用、アレルギー性鼻炎であれば抗アレルギー薬の使用やアレルゲンの除去・接触回避といった対策が必要です。症状に応じた適切な治療を行うことが大切です。

よくあるご質問

風邪をひいて、熱は下がりましたが、咳だけが続いています。受診した方がよいのでしょうか?

風邪であっても、4週間程度は咳が続くということがあります。他に症状がなく元気であれば様子を見ても構いませんが、2週間を超えて咳が続く場合には、一度ご相談ください。もちろん、2週間未満であっても気になる場合はご相談いただけます。

子どもの咳がひどいのですが、市販の咳止めを使用しても構いませんか?

市販の咳止めは、あくまで対症療法として使用するものであり、根本的な治療にはつながりません。眠れない場合などご使用いただいても構いませんが、その後一度、受診されることをおすすめします。

子どもも、アレルギー性鼻炎になることがあるのでしょうか?

はい、あります。近年、子どものアレルギー性鼻炎は増加しており、食生活の変化や衛生環境の影響など、さまざまな要因が関係していると考えられています。小学生では有病率が30〜40%にのぼるとも言われ、特にスギ花粉による症状が目立ちます。鼻水・鼻づまり・くしゃみなどが長引く場合は、早めにご相談ください。

子どもの鼻をすする癖が気になります。やめさせたいのですが、どうすればいいでしょうか?

上手に鼻をかめないようでしたら、吸引器の使用をおすすめします。市販のものであれば、スポイト式、口吸い式・小型電動式などがあります。また鼻水などの症状が続く場合には、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの可能性を考え、当院にご相談ください。